はじめての経済学
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2007年09月26日

現金性向と支払準備率が変化するとマネーサプライはどう変化する?

前回のメルマガで、ハイパワードマネーとマネーサプライの関係は、

shinyo05.gif


となることがわかりました。今回は、現金性向(α)と支払準備率(λ)が変化するとマネーサプライはどう変化するかを考えましょう。

現金性向が変化する、具体的には、みんなが預金でなく現金を持とうと考えると、αが上昇しますが、このときマネーサプライは減少します。

一方、銀行が支払準備を余計に積むという行動をおこすと、λが上昇しますが、これによってもマネーサプライは減少します。

数学的には、微分の知識が要りますが、上の式をαで(偏)微分してみましょう。すると、

shinyo06.gif

ここで、λは割合なので、1以上になることはありません。なので、λ-1は負になります(正確にいうと0以下ですが、負でもいいとしましょう…)。


また、λで(偏)微分すると、

shinyo07.gif

となり、これも負になります。

なので、αもλも、上昇すれば、Mは下落するし、逆にαとλが下落すれば、Mは上昇します。


直感的には、現金性向が上昇すると、手元に置く現金が増加し、預金が減少する。また、支払準備率が上昇しても、預金が減少します。

これは、新たに貸し出すお金の量が減ることを意味していますので、

貸出し → 貸出し → 預金 →…

の流れが細〜くなり、結果、マネーサプライは減少するということです。
posted by いしかわ at 14:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学一般

2007年09月19日

信用創造

shinyo.gif

メルマガでも触れたように、日銀がハイパワードマネーを1兆円追加的に増加させたときの効果を考えると上の図のようになります。

ポイントは、企業がお金を借りたとき、そのお金は現金保有分を除いてどこかの銀行の預金となります。

これが見かけ上の預金の増加です。そして、増えたお金は、さらに別の企業への貸し出し当てられるということです。

この「貸出し → 預金 → 貸出し → … 」のプロセスが信用創造といわれるものです。

では、信用創造のプロセスを一般的に表わしてみましょう。

まず、日銀がハイパワードマネーを追加的にA円増やしたとします。

支払準備率をλ(ラムダ)、現金性向をα(アルファ)とします。

ここで、注意して欲しいのは、現金性向は現金と預金の比率なので、

現金:預金=α:1

ということです。なので、全体(現金+預金)に占める現金の割合は

shinyo01.gif


そして、預金の割合は

shinyo02.gif


となります。そうすると、上の図の90%を1-λ(預金準備として銀行が取っておく分がλなので、貸し出しに残りの1-λということになります)、80%を1/1+αと置き換えると貸し出しの合計は次のようになります。

shinyo03.gif


この無限等比級数の和は、

shinyo04.gif


表わすことができます。これを信用乗数と呼びます。

一般的にハイパワードマネーとマネーサプライには次のような関係があります。

shinyo05.gif


Mはマネーサプライ、Hはハイパワードマネーです。

この式が、メルマガの

マネーサプライ=ハイパワードマネー×信用乗数

のことなんですね!!

タグ:信用創造
posted by いしかわ at 12:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学一般

2007年09月12日

無限等比級数と経済学

メルマガの補足の図です。

安倍っち辞任で国会は騒然としていますが、みなさんは浮き足立たずに楽しく読んでいってください(爆)。

MugenA.gif
←右の図は、一辺の長さが1の正方形です。

なので、この正方形の面積は1ですね(1×1=1)。

では、面積2分の1って、どこになりますか?色で塗ってみましょう。

この図で、面積「1/2」は、全体の面積の半分にあたります。なので、この正方形の下側半分の黄緑色の領域で表わされます。

では、面積4分の1はどこでしょう?

「1/4」は、「1/2」の半分なので、左上のオレンジ色の領域となりますね。

同じようにして、どんどん半分にしていくと「1/8」「1/16」「1/32」が得られます。

この半分がずーっと続いていくと、どうなるか、この図をみたらもうお分かりですね。この正方形が埋め尽くされていきます。なので、直感的には無限等比級数

mugen01.gif

の和は「1」になることがわかります。

一般的に無限等比級数は

mugen02.gif

と表わされます。ここでこの両辺にAをかけてみましょう。

mugen03.gif

となりますね。じゃあ、(1)から(2)を引いてみましょう!

mugen04.gif

となるわけです。


なので、

mugen08.gif

のとき、

mugen09.gif

となります。また、0.999…は、

mugen10.gif

となり、どちらも「1」に等しくなります。

さて、この無限等比級数を少し変えてみましょう。

mugen05.gif

これは、さっきの無限等比級数に1を加えたものです。ちなみにこの「1」は「A0」のことです。なので、Aの0乗から足していくような無限等比級数となります。

同じように両辺にAをかけてみましょう。

mugen06.gif

となるので、またまた同じように(3)から(4)を引いてください。すると、答えは、

mugen07.gif

となります。上の無限等比級数と比べると、分子のAがなくなっています。経済学では、一般的にこれを「乗数」と呼びます。

乗数が使われる例として、阪神優勝の経済効果を考えてみましょう。

阪神タイガースが優勝すると、阪神グッズが売れ、飲食店が儲かり、デパート優勝記念がセールを行います。

つまり、阪神優勝で追加的な消費が生まれます。

例えば、阪神優勝で、飲食店の消費が1億円増加したとしましょう。


飲食店は、阪神優勝で1億円の所得が増加したことを意味しますから、飲食店の関係者が消費を増やします。


飲食店関係者は、増えた所得1億円のうち、仮に半分を消費に回すとすると、2次的に5000万円の消費が増えたことになります。


これは、飲食店関係者がお金を使った先の所得が合計で5000万円増加することを意味します。


5000万円の内、半分を消費に回すとすると、3次的に5000×0.5=2500万円の消費が増えたことになります。

これが4次産業、5次産業とどんどん続いていきます。すると、タイガース優勝で1億円の消費が増加した結果、波及効果の合計は

1億+1億×0.5+1億×0.52+…
=1億×(1+0.5+0.52+0.53+…)

となりますね。

この答えは(1/1-0.5)つまり、1/0.5=2となります。

よって、この場合、増えた所得の半分を消費に回すと考えると、阪神優勝で1億円の消費が増えると、全体で2億円の経済効果となってあらわれるというわけです。

政府が経済対策を行うときも同じです。政府が公共事業や減税などの財政政策を行ったとき、仮に1兆円の財政政策を行えば、その経済効果は波及効果を考えると1兆円以上、具体的には「1兆×乗数」円の効果になるというわけです。

ここでは増えた所得の半分、つまり50%を消費に回すとしましたが、一般的に所得が増えたときにどのくらい消費に回すかは、限界消費性向という値を使います。
タグ:乗数
posted by いしかわ at 12:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済学一般

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